森の祭り屋台☆比雲社☆

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仲横町☆比雲社~ひうんしゃ~

平成5年10月、屋台と彫刻が完成した。

屋台本体は栄町の工匠・山本庄平の天才的な技術によって造られ、

彫刻は富山県の井浪彫刻協同組合の彫刻師たちによって彫り上げられた。

井浪に於いて彫刻師たちと屋台建設委員との綿密な打ち合わせの結果、

決められた彫刻の画題が実にいいから紹介しよう。

先ず右の御簾脇には三嶋神社の御祭神である大山津見神(おおやまつみのかみ)がいる。

日本書記の神話によると大山津見神は伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と

伊邪那美命(いざなみのみこと)との間に生まれた神であり天照大神(あまてらすおおみかみ)とは兄弟である。

左の御簾脇には大山津見神の妻である鹿屋野比売神(かやぬひめのかみ)がいる。

この鹿屋野比売神は野槌神(のづちのかみ)といい、野の守護神である。

正面欄間には、女性が赤ん坊を抱き、その横でおじいさんがうれしそうに
酒を飲んでいる、という構図になっている。

酒を飲んでいるのは大山津見神、女性は娘の木花開耶媛命(このはなさくやひめのみこと)であり、

赤ん坊はその子供で穂々手見命(ほほでのみこと)である。

つまり、正面欄間の赤ん坊は大山津見神の孫なのである。

脇障子には御簾脇の両神を外敵から守るため、外睨みの龍と虎を配し、

後欄間には鳳凰、支輪には四季の花鳥が彫られている。

木鼻には8頭の獅子がおり、支輪の四つ角からは獏(ばく)が四方に向かって首を出している。

慶雲社、藤雲社、北街社の支輪の四つ角からは龍が首を出しているが、

ここに獏を配しているのは比雲社だけである。獏といってもアリを喰う動物園のバクではない。

悪夢を喰うとされている中国の想像上の動物である。

なんといっても比雲社最大の特徴といえば左右欄間の「刃龍」である。

龍は普通3本の爪を持っているが比雲社の龍は4本爪である。

なぜ4本爪なのだろうか?

そもそも龍は亀、鳳凰、麒麟(きりん)とともに四端のひとつとされ、角は鹿、

頭はラクダで眼は鬼、うなじは蛇で、うろこの数は鯉と同じ、

手は虎で鷹の爪を持つという想像上の動物である。

更に龍には位(くらい)があり、位が高い程龍の爪の数が増えるという。

3本爪は平民、4本爪は大将、5本爪は皇族となっており、

中国の皇帝のいた部屋のじゅうたんとカーテンには5本爪の龍の刺しゅうが施こされていた。

比雲社旧屋台の天幕は大正12年、皇太子殿下(昭和天皇)の御成婚を祝して新調されたため、

位の高い4本爪の龍の刺しゅうを施したのである。

だからこの龍を継承して左右の欄間に4本爪の龍を彫ったとこういうわけである。

天幕は東京白木屋呉服店に作らせたものであるが、

大正12年といえば関東大震災のあった年であり、東京は焼け野原と化したはずである。

ところが、龍の刺しゅうをするために京都に出してあったために天幕は助かったというのだ。

比雲社の龍はよほど運が強いとみえる。

最後に金具の説明を什け加えておこう。

金具はすべて手造りで欄間と支輪の間の本桁の木口には四神をあしらっている。

東に青龍(せいりょう)、西に白虎(びゃっこ)、南に朱雀(しゅじゃく)、北に玄武(げんぶ)という四方神である。

見事だ。

豪放、優美、豪華、典雅、どんな言葉でこの屋台を表現したら良いのだろうか。

※森の祭りHPより引用※


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